1802年から1945年の間ベトナムの政権を握っていたグエン朝の王宮。中国の紫禁城を模してデザインされ、総距離2.5km、高さ6mの城壁に囲まれている宮廷の内部には、当時の皇帝、皇族の生活がどのようなものであったのかを体験することができる。
フランスとのの第一次インドシナ戦争やベトナム戦争でアメリカの爆撃を受け、もともと148つあった建造物が現在では20つほどしか残っていない。現在でも修復が進められているが、建造当時のままで残されているものも多い。
午門(王宮門)
高さ17m、幅58mのグエン朝王宮の入り口。5つの入り口があり、中央は皇帝の入り口、中央口の左右は、左の門は武官、右の門は分館が使用した。門の両端の入り口は兵士や馬、ゾウが使用していた。午門の午は、南の意味があるが古代中国の思想で、『聖人君子が南から天下に耳を傾ければ、世の中は平和に治まる』という意味も含まれている。そして建築の設計上、正午になると王宮の上に太陽が来るようにできている。午門の2階は、午門の内側の中庭で宮廷の儀式が行われるときに、皇帝がそこに現れた。
太和殿(タイホア殿)
王宮の正殿で、この場所で様々な儀式が行われていた。この内部には皇帝の玉座があり、柱や梁などに皇帝を象徴する龍の装飾がある。
1805年に第一代皇帝、ザーロン帝が建造し、1968年にベトナム戦争の爆撃により完全に崩壊した。現在の大和殿は1970年に再建されたものである。
左廡・右廡(ターヴー・ヒューヴ―)
高級官吏の詰所として使われていた。左廡は文官、右廡は武官が使用していた。現在は、左廡は宮廷音楽などのパネルが展示されている。右廡は、記念撮影場になっている。
閲是堂
2代ミンマン帝が1826年に建てた、ベトナム最古の劇場。皇帝や皇族のみが楽しんだ宮廷音楽や舞踏が行われていた。現在は、当時を再現して雅楽と宮廷舞踊が公演されている。
太平樓(タイ・ビン・ラウ)
3代ティエウチ帝が1844年に書斎として建てた。1921年に12代カイディン帝により修復され、2014年に再度修復された。
世祖廟(テート―廟)
13代続いたグエン朝の皇帝のうち10人の位牌が祀られている。3人の皇帝の位牌がないのは、5,6代皇帝は廃位、13代皇帝は、フランスに亡命したためである。
顕臨閣(ヒエン・ラム・カック)
世祖廟の前閣(入り口にあたる)でそこには、9つの鼎が置かれている。これは、中国の思想で、天子の象徴を意味している。2.5トンする鼎にはそれぞれ高、仁、章、英、毅、純、宣、裕、玄という文字が刻まれている。それらの文字と一緒に四季の絵が刻まれている。
延寿宮(ジエント宮)
1804年にグエン朝初代皇帝、ザーロン帝が母親のために建てた住居である。
長生宮(チェーンサン宮)
第2代ミンマン帝が1822年に皇太后の宮殿として造った。1886年からは皇太后の住居として使われていた。現在では、カフェと展示スペースになっており、宮廷茶を楽しんだり、お土産も購入できる。
詳細情報
営業時間 | 7:00~18:00 |
入館料 | 15万ドン |
その他 | 定休日 なし |
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